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酸性雨が降る

●樹木を枯らす酸性雨
通常の雨水は空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるのでpH5.6くらいの弱酸性を示します。これよりも強い酸性を示す雨水が酸性雨として問題になっています。
酸性雨の原因は、石炭や石油などの化石燃料の燃焼や火山活動などによる発生する硫黄酸化物や窒素酸化物、塩化水素。これらが大気中の水や酸素と反応して硫酸や硝酸、塩酸などを生じさせ、それを取り込んだ雨水を強い酸性にする事が原因です。

●影響
土壌の酸性化が進むと、植物に必要な栄養分が流出し、有害なアルミニウムイオンも溶けだし、結果として森林全体が枯れてしまう事もあるほどです。小沼の酸性化により魚のえさとなる水中の昆虫類や貝、エビなどが減り、湖によっては魚が全くいなくなる被害も出ております。また酸性雨は屋外にある銅像や彫刻を溶かすなど、文化財にも被害を与えている程です。

近年、雨の他に霧や雪に沈着する酸性沈着物を含めて酸性雨と呼ばれています。
日本における原因物質の発生源は、工場や自動車などの産業活動にともなうものだけでなく火山活動もその一つと考えられています。
また東南アジアからの偏西風に乗って移動してくるものも有り、国立研究所の調査によると日本で観測される硫黄酸化物の約半分は中国から運ばれてくるともされています。

それぞれに与える悪影響とは?

●森林樹木・・・
樹木が弱って大規模な立ち枯れが発生

 ●土壌・・・酸性化して植物に有害なアルミニウムが溶出する土の微生物が死滅する

●人体・・・目・鼻・のどの刺激と皮膚に痛みを感じる

●河川・湖沼・海・・・酸性化してプランクトンやそれをエサにする魚が減少・死滅する

●建造物・・・コンクリート、大理石、金属を腐食する 銅像や彫刻が溶ける

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