私たちを取り巻く水事情

名水はどのようにしてできるの?

 

原水イメージ.jpg日本名水として名高いのは、南アルプス連峰・甲斐駒ケ岳の山裾を流れ落ちる尾白川の水や、長野県穂高岳の湧水が上げられます。

これらは山岳に降った雪が岩石層や地層の狭い隙間にしみ込んで地下水となり、長い時間をかけて地表に出てきたものです。地下を通ってくる間に不純物がろ過され、岩石層や地のミネラル分を溶かしこんでいるので「おいしい水」になるのです。

一般に地下水は、地表に近いほど流れが速く、深いほど遅くなります。このため、地中深くを長い年月をかけて流れる地下水ほど良質な「おいしい水」になるのです。日本では地下水の滞留時間は数年~数百年と推定されています。

 

名水百選

水質汚染の問題が深刻化してきた近年、環境庁(現・環境省j)は後世に残したい清澄な水を名水百選として発表しました。昭和60年の事です。

これは、全国の水環境の保全と水資源の再発見を目的としたもので、全国各地の「名水」とされる百ヶ所の湧水・河川・地下水から選ばれました。 

名水と言う言葉から、清冽な清水や湧水をイメージしますが、この名水百選はただきれいなだけでなく、地域住民の生活に溶け込み、大切にされ守られている事を条件にしています。

「宗祇水」岐阜県郡上八万の湧水もその一つで、市、県の史跡文化財に指定され、史跡として守られ、毎年「宗祇水紙祭り」が行われている。

 

●日本の名水百選

北海道・東北

 ■北海道 1.羊蹄のふうきだし湧水 2.甘露泉水 3.ナイベツ川

 ■青 森  4.富田の清水  5.渾神の清水

 ■岩 手  6.金沢清水  7.龍泉洞窟地底湖

 ■宮 城  8.広瀬川  9.桂葉清水

 ■秋 田  10.力水  11.六郷湧水群

 ■山 形  12.小見川  13.月山山麓湧水群

 ■福 島  14.小野川湧水  15.磐梯西山麓湧水群

関東

 ■茨 城  16.八溝川 

 ■栃 木  17.尚仁沢湧水   18.出流原弁天池

 ■群 馬  19.箱島湧水    20.雄川堰

 ■埼 玉  21.風布川・日本水

 ■東 京  22.お鷹の道・真姿の池湧水群  23.御岳渓流

 ■千 葉  24.熊野の清水

 ■神奈川  25.酒水の滝・滝沢川  26.秦野盆地湧水群

 ■山 梨  27.忍野八海   28.白州・尾白川  29.八ヶ岳南麓高原湧水群

中部

 ■新 潟  30.龍ケ窪の水  31.杜々の森湧水

 ■富 山  32.立山玉殿の湧水  33.穴の谷の霊水     34.爪裂の清水

               35.黒部川扇状地湧水群

 ■石 川  36.弘法池の水  37.御手洗池  38.古和秀水

 ■福 井  39.鵜の瀬  40.御清水  41.爪割の滝

 ■長 野  42.安曇野わさび田湧水群  43.猿庫の泉  44.姫川源流湧水

 ■岐 阜  45.長良川中流  46.養老の滝・菊水泉  47.宗祇水

 ■愛 知  48.木曽川中流

 ■静 岡  49.柿田川湧水群

近畿

 ■滋 賀  50.泉神社湧水  51.十王村の水

 ■三 重  52.恵利原の水穴  53. 智積養水

 ■京 都  54.伏見の御香水  55.磯清水

 ■兵 庫  56.宮水  57.千種川  58.布引渓流

 ■大 阪  59.離宮の水

 ■和歌山  60.野中の清水  61.三井水

 ■奈 良  62.洞川湧水群

中国

 ■岡 山  63.雄町の冷泉  64.塩釜の冷泉  65.岩井

 ■広 島  66.出合清水  67.太田川

 ■鳥 取  68.天の真名井

 ■島 根  69.壇鏡の滝湧水  70.天川の水

 ■山 口  71.別府弁天池湧水  72.寂地川  73.桜井戸

 ■香 川  74.湯船の水

 ■高 知  75.安徳水  76.四万十川

 ■徳 島  77.剣山御神水  78.江川の湧水

 ■愛 媛  79.うちぬき  80.観音水  81.杖の淵

九州・沖縄

 ■福 岡  82.清水湧水  83.不老水

 ■佐 賀  84.清水川  85.竜門の清水

 ■長 崎  86.轟渓流  87.島原湧水群

 ■熊 本  88.菊池水源  89.轟水源  90.池山水源  91.白山川

 ■大 分  92.竹田湧水群  93.男池湧水群  94.白山川

 ■宮 崎  95.綾川湧水群  96.出の山湧水

 ■鹿児島  97.霧島山麓丸池湧水  98.清水の湧水  99.屋久島宮之浦岳流水

 ■沖 縄  100.垣花桶川 

 

 

 

水道水はなぜ「おいしくない」か?

 あなたは、水道水をそのまま飲んでいますか?

 

最近の水事情により、水道水をそのまま飲むより、ペットボトル入りのミネラルウォーターやお茶などを飲む人が増えているようです。

これは水道水の味が、「カルキ臭さ」や「カビ臭さ」や「生臭さ」などでまずくなってきたことからでしょう。

カルキ臭さは、殺菌や消毒のために入れた塩素が水の汚れのアンモニア性チッ素と反応することから生じます。使われる塩素の量が増えれば、カルキ臭もそれだけ強くなるのです。

原水の汚れがひどくない頃は少量の塩素で足りていたのですが、近年、水源の河川や湖の汚染が進み、塩素の使用量が増えています。

 カビ臭さ、生臭さは、植物性プランクトンなどの微生物の異常発生によって生じるにおいです。

これは生活排水や農業排水などが流れ込んで、チッ素やリンなどで水源の水が富栄養化する事から起こります。 

 

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体にいい水とは、どんな水?

体にいい水は、有害物質がなく、ミネラルがほど良くある水

 

水道水がおいしくなく、安全への不安もあることから「おいしい水」や「安全な水」を求める意識も自然と高まり、ミネラルウォーターや浄水器の人気が急上昇している。

最近では、安全でおいしいだけでなく、さらに健康のためになる、体にいい水まで求めるようになってきた。アルプドイツMH900438576.JPG

世界に長寿村と呼ばれる地域がいくつかある。ロシアのコーカサス地方や南米アンデス地方、中国のウイグル地方。これらの地域に共通するのは良質な水に恵まれていることだ。

周囲を高い山岳に囲まれ、そこに降った雪は、岩石層や地層層をゆっくりとしみ込む。そして、再び湧水となって地表に出る時には、ミネラル分をたっぷり含んだきれいな水になっている。

 

 からだにいい水とはおいしいお水と同じで、いやなにおいや味のもとになる有害物質がなく、ミネラル分がほど良くある水ということになる。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

 

国産ミネラルウォーターは、「天然」か?

●国産ミネラルウォーターはミネラル分がたっぷり入っている?

「大自然の中の天然水」とメーカー各社のCMや宣伝で多く見受けられるが、ミネラルウォーターについては、清浄でミネラル分を多く含んだ、体にいいおいしい水と思っている人がほとんどでしょう。

しかし、多くの国産品では、含まれるミネラル分は少なく、実は水道水とあまり差がないのです。この事は原水の地下水に含まれるミネラル分が、ヨーロッパに比べて少ないからなのです。日本の地下水は、鉱物の少ない土壌。地下での滞留時間も短いため、ミネラル成分はあまり溶け込んでいないのです。 

また国産のほとんどは加熱処理などの人の手 が加えられていて、いわゆる「天然水」ではないのです。このことは日本のメーカーが、厚生省の出している以下の「無殺菌の水の条件※」 をクリアできないからです。

※1源泉から直接採取され、そのままボトリングされた水。

※2原水が有害な物質に汚染されていない。ボトリングMP900400105.JPG

多くのメーカーは、原水とボトリングの工場が別のところにある。山奥の原水だと全く汚染の心配は無いけれど、輸送のコストがかかりすぎてしまう。

 ●おいしさは湯ざましの水と同程度

水の味は、ミネラル分と溶けている二酸化炭素や酸素で決まってくる。加熱殺菌をすれば、気体は大部分抜けてしまう。

結果的に、含まれるミネラル分も同じなら、水道水の湯ざ                          ましの水と何ら変わりないということになってしまう。   

  

 

 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

水道水は浄水器でどこまでおいしくなる?

家庭用浄水器の普及率が急増している。浄水器協会の調べから2009年(平成21年)の出荷台数は約350万台、カートリッジの出荷台数は2300万台。浄水器の普及率は全国平均で30.1%。中でも南関東が48.0%、東京都が37.7%と高い数字を出している。 

浄水器が脚光を浴びたのは30年ほど前に、近畿地方を中心に水道水の異臭や変な味がするという苦情が殺到して問題になった事から。水源の琵琶湖が汚染され消毒用の塩素が多用された事、藻のアオコなどを原因とするカビ臭が加わった事が大きな要因だ。その対策として、活性炭を使って水道水からカルキ臭やカビ臭を取り除く浄水器が大人気になり、ブームとなった。 

浄水器で水はどこまでおいしくなる? 

浄水器は活性炭を用いたものが主流。活性炭には無数の孔があり、においや汚れの元を吸着させる。それにより残留塩素、カビ臭、濁りの原因となる有機物を除去出来る。 水道水をまずくする主な原因のカルキ臭、カビ臭を消すことが出来て確かにおいしくなる。

けれども、殺菌用の塩素を分解する事で、当然ながら活性炭に吸着した有機物や細菌が繁殖しやすくなるためにカートリッジの使用期間をきちんと守ることが大切。おいしいお水が飲みたくて取り付けた浄水器、管理を怠るなど交換期限を守らないとかえって不衛生な水になりかねないので注意が必要だ。

中空糸タイプの浄水器でも同じことが言える。中空糸膜フィルターと活性炭が組み合わせてあるもので、中空糸膜は、微細な孔を持つ高分子膜で、細菌まで除去できる。こちらも目詰まりするため交換時期の見極めが必要であ水輪.JPGる。