水道水は浄水器でどこまでおいしくなる?
家庭用浄水器の普及率が急増している。浄水器協会の調べから2009年(平成21年)の出荷台数は約350万台、カートリッジの出荷台数は2300万台。浄水器の普及率は全国平均で30.1%。中でも南関東が48.0%、東京都が37.7%と高い数字を出している。
浄水器が脚光を浴びたのは30年ほど前に、近畿地方を中心に水道水の異臭や変な味がするという苦情が殺到して問題になった事から。水源の琵琶湖が汚染され消毒用の塩素が多用された事、藻のアオコなどを原因とするカビ臭が加わった事が大きな要因だ。その対策として、活性炭を使って水道水からカルキ臭やカビ臭を取り除く浄水器が大人気になり、ブームとなった。
浄水器で水はどこまでおいしくなる?
浄水器は活性炭を用いたものが主流。活性炭には無数の孔があり、においや汚れの元を吸着させる。それにより残留塩素、カビ臭、濁りの原因となる有機物を除去出来る。 水道水をまずくする主な原因のカルキ臭、カビ臭を消すことが出来て確かにおいしくなる。
けれども、殺菌用の塩素を分解する事で、当然ながら活性炭に吸着した有機物や細菌が繁殖しやすくなるためにカートリッジの使用期間をきちんと守ることが大切。おいしいお水が飲みたくて取り付けた浄水器、管理を怠るなど交換期限を守らないとかえって不衛生な水になりかねないので注意が必要だ。
中空糸タイプの浄水器でも同じことが言える。中空糸膜フィルターと活性炭が組み合わせてあるもので、中空糸膜は、微細な孔を持つ高分子膜で、細菌まで除去できる。こちらも目詰まりするため交換時期の見極めが必要である。